番外編:水族館で、スズキとボラを見てきた

仙台うみの杜水族館へ。イワシの群れとスズキが同じ水槽で共存していて、ボラはアマモの葉から何かを削り取っていました。ベイトの記事に書いたことが目の前で動いていた話です。

釣行ログではありませんが、置き場所が他にないので番外編とします。

仙台への出張のついでに、仙台うみの杜水族館へ行ってきました。スズキとボラのいる水槽があり、シーバスをやる人間としては、かなり長い時間その前に立っていました。

この記事の前半は自分が見たこと、「調べたこと」の節は帰ってから調べたものです。

スズキとイワシが、同じ水槽にいる

いちばん驚いたのは、イワシの群れとスズキが同じ水槽にいて、食べられていないことでした。

館内ガイドによると、三陸の海を再現した大水槽「いのちきらめく うみ」には50種類ほど、約2万5千匹が入っています。マイワシの大群が主役の水槽です。

そこにスズキがいます。共存していました。

見ていると、ときどきスズキがイワシの群れのほうへ向かっていきます。ただ、突っ込むという感じではありません。群れのほうも、スーッと動いて避けるだけです。追いかけ回すでも、逃げ惑うでもない。

人間の目には、スズキが群れにちょっかいを出しているように見えました。

なぜ食べないのか(調べたこと)

理由を調べようとしたのですが、確かめられませんでした。

いちばんありそうなのは、単に空腹ではないという説明です。水族館では餌が与えられます。ただし、この水槽でどう給餌しているのかを私は知りません。推測です。

もうひとつ、群れていること自体の効果があります。カタクチイワシの記事で書いたとおり、群れているだけで捕食の成功率は大きく下がり、群れの中で違って見える個体が狙われるという実験結果があります。目の前で見た「向かっていく、避けられる」は、その形にきれいに当てはまります。

ただし、当てはまって見えることと、それが理由であることは別です。空腹でないなら本気で追っていないので、成功率の話を持ち出すまでもありません。

コンブの合間を泳ぐスズキ

別の水槽では、海藻の合間をスズキが泳いでいました。

水槽の中で、コンブのような海藻の上を泳ぐスズキ

館内ガイドには「彩り 海藻のうみ」というコーナーがあり、暖かい海の海藻と冷たい海の海藻が同居する三陸特有の環境を再現している、と書かれています。

釣りをしていて、この角度から魚を見ることはありません。ストラクチャーの「中」を魚がどう通るのかを、横から見られるというのは、それだけで面白いものでした。

ボラが、葉から何かを削っていた

もうひとつの水槽には、イナッコの群れがいました。

水槽の中を泳ぐボラの群れ

植えられているのはアマモだと思います。館内ガイドに「アマモ うみの揺りかご」というコーナーがあり、三陸沿岸のアマモ場を再現していると書かれていました。

見ていると、イナッコが葉の表面を口でハムハムとやっています。

アマモの葉に口を寄せるボラ

これは、記事に書いたことそのものです

ボラは底をなめるで、こう書きました。大きくなったボラは、底に沈積または付着した微生物、デトリタス、珪藻類などを、砂泥とともに食べる。だからハクとイナッコは別のベイトとして考えたほうがいい、という記事です。

それが、目の前で動いていました。

ただし、記事の書き方は少し狭かった

見ていて気づいたことがあります。私は「底をなめる」と書きましたが、この個体たちが口を当てていたのは、底ではなくアマモの葉でした。

食べているものは同じ種類のもの(表面に付着した藻類)だと思いますが、それがある場所は底とは限りません。縦に立った葉の表面にも付いています。

記事では、イナッコの居場所を決めるのは底に何が生えているかだと書きました。「底に」は言いすぎだったことになります。藻類が付く面がどこにあるか、と書くほうが正確です。アマモ場、ゴロタの表面、護岸の壁。どれも面です。

ただし、これは水族館で人が作った環境を見ただけの話です。自然の川や海でイナッコがどの面を主に使っているかは、これで分かるわけではありません。

そのほか

これ以外にも見応えのある展示がたくさんあって、予定より長居しました。おじさんひとりでイルカショーまで見てしまいました!

ひとり水族館は、かなりおすすめです。家族と行くと、どうしても子供のペースに合わせることになります。ひとりだと、同じ水槽の前に20分立っていても誰にも文句を言われません。スズキがイワシの群れにちょっかいを出すのを延々と眺めていられたのは、ひとりだったからです。

釣り人が水族館に行くと、普段は水面の上からしか想像していないものが、横から見えます。それだけでも行く価値がありました。ひとり水族館、ハマりそうです。

参考