釣行ログ:ルアー27個、ひたすら投げて数を数える
このサイトのネタ作りとして、ルアーの飛距離をまとめて測ってきました。正確な測定ではなく、回収にかかったリールの回転数を数えるだけです。釣果は二の次。数えることに3時間を使った記録です。
状況
- 日時: 2026年9月11日 21時20分から翌0時20分まで(大潮)
- 場所: 河川の中流域
- 水温: 24.5 ℃(気象庁の日別海面水温の図から読み取った、近くの海の値。川の水温ではありません)
- 目的: ルアーの飛距離を測る
釣果は二の次と決めて出かけました。このサイトのネタ作りです。
この日の天気(あとから調べたもの)
気象庁の1時間ごとの値で確認しました。水戸地方気象台の観測値です。現場より内陸なので目安になります。
| 時刻 | 天気 | 気温 | 湿度 | 風向・風速 |
|---|---|---|---|---|
| 21時 | 雨 | 20.2 ℃ | 98 % | 西 1.0 m/s |
| 22時 | 雨 | 20.1 ℃ | 99 % | 北西 1.1 m/s |
| 23時 | 曇 | 20.2 ℃ | 97 % | 西北西 0.7 m/s |
| 24時 | 曇 | 20.1 ℃ | 97 % | 北西 0.4 m/s |
雨は20時24分から21時31分、21時51分から22時05分、22時18分から22時42分、23時03分から23時26分と、断続的に降ったり止んだりでした。現場でも小雨がぱらつく感じで、記録と合っています。この日は1日中降っていて、日降水量は30.5ミリ、日照時間は0.0時間、湿度は1日を通して96%以上です。
そして風速が0.4から1.1 m/s。体感の「無風から1 m/sくらい」とほぼ一致しました。
飛距離を測る日としては、これ以上ない条件でした。狙ったわけではなく、たまたまです。
測り方
正確な測定ではありません。ルアーを回収するときのリールの回転数を数えて、メモするだけです。回転数は整数でしか数えていません。
いつもはルアーを10個くらいしか持っていきませんが、今回は27個持って行って、全部試しました。上から順に、1個あたり5投ずつです。
はじめは、近所の広い野池か川で、昼間にやろうかと考えました。メモも取りやすいので。ただ、いつもの現場のほうが実践的な数字が出ると思い直して、普段の場所で投げています。
投げ方も普段どおりです。全力ではなく、感覚的に7割から8割の力で投げました。
巻き速度は、釣果を捨てているのでテンポよく一定にしています。川の流速が速かったので、ミノー系はその速度でも適正かなと思えたのですが、シンペン系は普段よりかなり速かったです。
投げたルアー
| 順番 | ルアー | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | マニック 95 | |
| 2 | スライドアサシン 100S | 1投目でラインブレーク、ロスト |
| 3 | スイッチヒッター 85S | |
| 4 | ソマリ 90 | |
| 5 | エンパシー 90 | |
| 6 | パンチラインマッスル 80 | |
| 7 | ピース 80S | |
| 8 | CD 9 | |
| 9 | カゲロウ 100F | |
| 10 | ソバット 80 | |
| 11 | ローリングベイト 77LW | |
| 12 | ロケットベイト 75 | |
| 13 | ミニエント 57S | |
| 14 | シャローアサシン 99F | |
| 15 | バーティスR 98F-SSR | |
| 16 | サイレントアサシン 80S | |
| 17 | コモモカウンター 110S | |
| 18 | シーバスハンターZ 95S | |
| 19 | マニック 135 | |
| 20 | スネコン 90S | |
| 21 | レイジーファシャッド 100S | |
| 22 | スカーナッシュ 120F | |
| 23 | レイジーファシャッド 70S | |
| 24 | ガルバ 73S | |
| 25 | カットバイブ 55HW | |
| 26 | ジョルティmini 8 g | |
| — | CDE 75 | 1投もせずロスト |
CDE 75については後述します。
到着したら、知人がいた
現場に着くと先行者がいました。よく見ると知人です。
すでに2時間ほど投げていて、フッコサイズを1本上げたとのこと。そして、その場所を譲ってくれました。
2時間さんざん叩かれたあとの場所なので、普段なら別のポイントに移るところです。ただ今回の目的は飛距離のデータなので、そのまま投げることにしました。
生命感は前回同様すごくて、間欠的ではあるものの、あちこちでバイト音が聞こえてきます。
2個目のルアーの、1投目
スライドアサシン100Sの1投目です。
アップに投げて回収していると、少し遠くでボガゥッと音がしました。またバイト音がしているなと思っていたら、自分のルアーに食っていました。ダウン側でU字を描いた直後です。
これが、いままでで1、2位を争う重量感でした。まったくリールが巻けません。1分ほど膠着状態が続きました。頭に浮かんだ映像は力士です。
状況を打破しようとロッドを煽った瞬間、ふわっとテンションが抜けました。スナップの結束部でのブレークです。
悔しい。ランカークラスだった可能性がかなり高いと思っています。
実は、同じような重量感を以前にも経験していて、そのときもラインブレークでした。2回目です。ランカークラスを安心して獲れるように、ラインと結束を見直します。
なお、このルアーはシマノの製品ページで見つけられませんでした(2026年9月時点)。廃版になったのかどうかは分かりません。市場にはまだあるようなので、買い直そうと思っています。何せランカークラス(推測)が食ってきたのですから。
マニック135が、届いてしまった
もうひとつ印象に残ったのが、今回初投入したマニック135です。
同じシリーズの95が95 mm・8 gなのに対し、135は135 mm・21 g。重心固定のシンキングで、フックはフロント#8・センター#8・リア#6です。
途中、対岸付近で水面にものすごい波が立って、ボイルが起きました。普段なら届かないので諦める、というより挑む気も起きない距離です。
試しにマニック135を投げたら、届いてしまいました。
アタリを2回取れましたが、残念ながら乗りません。それでももう少し本気で投げたら対岸に着地しそうで、少しヒヤヒヤしました。
対岸に釣り人がいる場合は迷惑になる可能性があるので、そこは注意が要ります。ただ、このルアーは武器になりそうです。私の常備ルアー確定です。
CDE 75を、投げる前に落とした
ラパラのCD(カウントダウン)9と飛距離を比べたくて、CDE(カウントダウンエリート)75も持って行きました。
ところが、ルアーを付け替えるときに手を滑らせて、水没・ロスト。1投もしていません。
両者の飛距離の違いが気になっていたので、かなり残念でした。
数えていて、気になったこと
データを取りながら、いくつか引っかかる点が出てきました。
1つ目。釣行頻度の低い私にとって、釣り場に着いてすぐのキャストは、本来の飛距離が出ていない感触がありました。投げているうちに、だんだん感覚が戻ってくる感じです。
2つ目。投げているうちに、体と筋肉がだんだん温まってくる感じがしました。これも飛距離に影響しそうです。
3つ目。ルアーゲームをやっていると、魚を釣るのが目的ではなく、投げるのが目的になる謎の時間帯があります(ありますよね?)。このとき、投げ方をあれこれ工夫してしまいます。今回はなるべく同じように投げているつもりでしたが、こうしたメンタルの影響は受けていると思います。
とにかく、人間が投げているので不定要素がありすぎる。大変な作業の割に、意味のあるデータが取れていない気がしてきて、途中で投げ出しそうになりました。一応、全部やり切りましたが。
温まると本当に変わるのか(調べたこと)
2つ目の「体が温まる」だけは、調べると数字が出てきました。
筋肉の温度と発揮できる力の関係をまとめた2025年のメタ分析があります。33本の研究、のべ921人をまとめたものです。安静時の筋温はおよそ35 ℃で、運動によって40 ℃近くまで上がります。この分析が扱っている筋温の範囲は、33.9 ℃から39.7 ℃までです。
結果は、効くところと効かないところがはっきり分かれていました。
| 測っているもの | 筋温が1 ℃上がったときの変化率(%) | 統計的に意味のある差か |
|---|---|---|
| 速度依存の収縮特性(力の立ち上がりの速さ、パワー) | +3.7 | あり |
| 最大の筋力 | −0.2 | なし |
最大の筋力はほぼ変わらず、力を出す速さのほうだけが上がります。
キャストは、重いものをゆっくり押す動作ではありません。短い時間でロッドを曲げて戻す、速さとパワーの動作です。温度で変わりやすい側の性質を使っていることになります。
ただし、ばらつきが大きい
この+3.7%という数字は、33本の平均です。論文には、研究ごとの値が1 ℃あたりマイナス10.3%からプラス18.5%まで散らばっていたと書かれています。符号すら揃っていません。
もうひとつ意外だったのは、運動によるウォームアップと、風呂や温熱パックのような受動的な加温とで、差が出なかったことです。著者らは、ウォームアップの効果の多くは温度そのもので説明できるのかもしれないと書いています。
さらに、本番と同じ動きでウォームアップするほうが効く、という結果も出ませんでした。むしろ逆の傾向(統計的には差なし)です。著者らは、本番と同じ動きのウォームアップが疲労を生んでいた可能性を挙げています。
この日の話に、どこまで使えるか
これは実験室で筋肉の収縮を測った話で、キャストの飛距離を測ったものではありません。膝を伸ばす力やジャンプの高さが主な測定対象です。
対象も18歳から60歳の健常者で、平均24.6歳。雨の夜に3時間立っている釣り人ではありません。
そして、1つ目の「感覚が戻る」と3つ目の「メンタル」については、この研究は何も言っていません。むしろ受動的な加温でも同じだけ効いたという結果は、「体を動かして感覚が戻る」という説明とは噛み合いません。
言えるのはここまでです。体が温まると、キャストが使っている側の性質は上がりうる。ただしどれくらい上がるかは、研究のあいだですら揃っていません。
この測り方の弱いところ(考えたこと)
ここからは調べものではなく、自分で考えたことです。検証はしていません。
回転数を距離に直すところに、ずれがありそうです。リールのハンドル1回転で巻き取れる長さは、スプールに残っている糸の量で変わります。糸が多く出ているとき、つまりルアーが遠くにあるときほど、スプール上の糸は少なく、1回転あたりの巻き取りは短くなります。
ということは、遠投したときほど、回転数は実際の距離の割に多めに出る方向のずれになります。そう考えられる、というだけで、確かめてはいません。
もうひとつは、投げた順番です。26個を上から順に投げました。ところが、時間とともに変わるものがあります。体が温まること、疲れてくること、目が暗さに慣れること、潮が動くこと、集中が切れること。
これらは全部、ルアーの順番と一緒に動いています。つまり、リストの後ろのルアーの数字が良かったとして、それがルアーのせいなのか、3時間目の自分のせいなのかを分けられません。
順番をランダムにするか、基準になるルアーを1個決めて何度も挟むか、どちらかをやっておくべきでした。後者なら、その基準ルアーの数字の変化から、時間による変化そのものを見積もれます。
あと、回転数を整数でしか数えていないので、1回転ぶんより細かい違いは最初から見えません。
もう一度やるつもりはありません
正直に書くと、手持ちを全部投げ直すようなことは、もうやらないと思います。3時間ずっと数を数えるのは、想像以上に消耗しました。
やるとしても、新しいルアーを買ったときに、その1個か2個を測るくらいです。
ただ、その場合に困ることがあります。別の日に測った数字を、この日の数字と並べていいのかという問題です。日が違えば、風も、体の状態も、集中も違います。
これについては、ひとつだけ手があります。新しいルアーを測る日に、この日すでに測ったルアーを1個だけ一緒に投げることです。同じルアーの数字が、この日と比べてどれだけずれているかが分かれば、その差のぶんだけ新しいルアーの数字を補正できます。
投げるのは5投ぶん増えるだけです。これなら、次に新しいルアーを買ったときにもできます。
その後
釣行を終えたあとも、頭の中で数を数える癖がしばらく抜けませんでした。歩いている最中に、無意識で歩数を数えていました。
疲れた。
数えた結果はルアーの飛距離を、リールの回転数で測るにまとめました。
参考
- 1時間ごとの値 水戸 2026年9月11日(気象庁)— 天気・気温・湿度・風、雨の降った時間帯
- ベイルーフ(デュオ)— マニック95と135の全長・重さ・タイプ・フック。サイズのカードを開くと仕様が出ます
- Wilson, Nunes and Blazevich (2025) “The effect of muscle warm-up on voluntary and evoked force-time parameters: A systematic review and meta-analysis with meta-regression” Journal of Sport and Health Science 14, 101024— 全文を読みました。33本・のべ921人、筋温1 ℃あたりの変化(速度依存 +3.7%、最大筋力 −0.2%)、研究ごとのばらつき(−10.3%から+18.5%)、能動と受動のウォームアップで差が出なかったこと、本番と同じ動きのウォームアップが優位でなかったこと、対象者と筋温の範囲
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