河川

釣行ログ:明暗部で、ゆっくり飲ませる

河川の橋脚下、明暗部。流れはほとんどなく、生命感も薄い夜でした。ゆっくり巻けるルアーとしてコアマン RJ-10 を選び、テンションをかけずに引いてきたところでヒット。

状況

  • 日時: 2026年8月21日 21時頃(小潮)
  • 場所: 河川の橋脚下、明暗部
  • 潮: 非常にゆるやかな上げ

上げ潮ではありましたが、流れはほとんど動いていませんでした。ときどきイナッコらしき魚が跳ねるのは見えます。ただ、それだけです。ライズもなく、生命感は薄いという印象でした。

この日の天気(あとから調べたもの)

気象庁の過去の気象データで確認しました。以下は水戸地方気象台の、1日を通した値です。現場からは内陸に離れているので目安になります。

  • 夜(18時〜翌6時)の天気概況: 曇時々雨
  • 昼(6時〜18時)の天気概況: 曇後一時晴一時雨、雷を伴う
  • 日降水量: 4.5 mm(最大1時間降水量 2.5 mm)
  • 日平均気温: 26.2 ℃(最高 30.2 ℃ / 最低 24.1 ℃)
  • 日平均湿度: 86 %
  • 日平均風速: 1.6 m/s(最大風速 4.4 m/s・北東、最大瞬間風速 8.0 m/s・東北東)

日中に雷を伴う雨があり、夜の天気概況も「曇時々雨」です。ただ1日を通した平均風速が1.6 m/s、最大でも4.4 m/sで、風はほとんど吹いていない日でした。現場で風に苦労した記憶がないのとも合います。

ゆっくり巻けるルアーを選ぶ

流れがないと、速く巻けば巻いた分だけルアーが浮いてきます。ゆっくり引けて、しかもゆっくりでも動くものがほしい。

そこで選んだのがコアマン RJ-10 ローリングジグヘッド(#012 ピンクヘッド/ピンクパール)です。メーカーの製品ページによると、全長85mm、ヘッド10 g・ワーム3 g、フックはコアマンのダブルフック22 #6(がまかつ特注)、ワームはアルカリシャッド75mmです。

このルアーのフックの付き方

RJ-10 が他と違うのは、フックがジグヘッドの上側に付いているところです。しかも1本のダブルフックで、下向きのトレブルフックがぶら下がっていません。

同じジグヘッドとワームの組み合わせでも、フックの構成は製品ごとに違います。メーカーの表記を並べると、こうなります。

ルアーメーカー表記のフック仕様
コアマン RJ-10ダブルフック22 #6 を1本(ジグヘッド上側)
コアマン VJ-16がまかつ トレブル13 #10 を2本
ダイワ モアザン シーバスロデムST-46 #10 を2本
ブルーブルー ジョルティトレブルフック2個

出典はそれぞれVJ-16シーバスロデムジョルティのメーカー情報です。VJ-16 の本数は、スペック表記ではなくメーカーの製品図から数えました。

こう並べると分かりますが、RJ-10 以外はどれも、下向きのトレブルを2本ぶら下げています。上向きのダブルフックを1本だけ、というのは RJ-10 の側が特殊です。

RJ-10 のフックには、もうひとつ仕掛けがあります。掛かるとダブルフックがピンから外れて遊動になるという構造で、メーカーはこれをバラシが大幅に減る理由として挙げています。特許も取得済みです。

このあたりは自分の感覚とも一致していて、私はこのルアーで掛けてバラしたことがありません。ただし、掛けた数そのものが少ないので、これは検証にはなっていません。「バラしたことがない」は、その回数が10回なのか3回なのかで意味がまったく変わります。私の場合は後者に近い数です。

なぜ遊動だとバレにくいのかを実測した資料は、探した範囲では見つけられませんでした。

ゆ〜っくり巻く

フックが上を向いているぶん、底を引いても根掛かりしにくいというのが私の使用感です。デッドスローで沈めながら引いても、あまり引っかかりません。

その代わりに引き換えているものがあると思っています。これは推測ですが、フックがボディの上に沿って付いている以上、ジグヘッドのあたりまでしっかり口に入らないと、針が魚の口の中に届かないのではないか。前に食い損ねの話を書いたときに調べたのですが、魚は口を開いて水ごと吸い込む方式で餌を取ります。吸い込みが効く距離は口の開き1つぶんくらいしかありません。ルアーを追わせるだけでは足りず、口の中まで入れさせる必要がある、という理屈になります。

なので、いつもこう使っています。

  • ゆ〜っくり、ゆ〜っくり巻く
  • ラインのテンションをできるだけかけない
  • 追いつかせて、飲み込んでもらうイメージで待つ

この日もそうやって引いていました。

ヒット

来ました。

上がってきたのは、ダブルフックがしっかり口に掛かったシーバスでした。飲み込むところまではいっていません。それでも、掛かりどころを見た瞬間に「これはバレない」と思える掛かり方でした。

夜の河原に横たえたシーバス。口元にピンクのルアーが見える

明暗部に着くのはなぜか(調べたこと)

橋脚の明暗部は定番の狙い目ですが、実際に測った例があるのか調べました。

南アフリカの河口域で、水上の構造物に付いた投光器を点けたり消したりして、水中の魚をソナーで数えた2013年の研究があります。要旨によると、照明を点けた夜には、全長500mmを超える大型の捕食魚が構造物のまわりで一貫して増えました。著者らは、明かりが餌を集め、目で狩る捕食者にとって狩りやすい条件をつくっている可能性を挙げています。

この研究をまとめた2019年のレビューには、もう少し踏み込んだ書き方があります。大型の捕食者は明暗の境目で待ち伏せ型の採餌をし、小型の魚は探索や採餌をやめて警戒行動に切り替えた、と整理されています。

どちらも要旨とレビューの記述を読んだだけで、本文は読んでいません。対象も南アフリカの河口域で、日本のスズキではありません。それでも、「大きい魚が明暗の境目で待つ」という形が実際に観測されているというのは、いつもやっていることの裏づけとして心強い話でした。

その後

このあとは続きませんでした。生命感が薄かったのは最後まで変わらずです。

流れのない夜に1本出たのは、ゆっくり引けるものを選んだからだと思いたいところですが、それを確かめる方法はありません。同じ日に速いルアーを投げ続けた自分がいないので、比べようがない、というだけの話です。

参考

釣行のオトモ

MONO NO AWARE『かけがえのないもの』