河川

釣行ログ:根掛かりだと思ったら、シーバスでした

河川のオープンエリアで、下げが効き出したところに重いアタリ。根掛かりかと思いながら寄せてくると、シーバスが体に掛かっていました。スレがかりの一匹の記録です。

状況

  • 日時: 2026年8月14日 21時頃(大潮)
  • 場所: 河川のオープンエリア
  • 潮: 下げ

海とつながった川なので、潮の上げ下げがそのまま届きます。ただし海と同時には動きません。私が入ったポイントは、大洗の潮位表からだいたい3時間遅れで推移します。これは自分で潮位表と現場を突き合わせて掴んだ目安で、測ったものではありません。潮見アプリの「時間遅れ」を3時間にして見ています。

この日の天気(あとから調べたもの)

現場の記憶があいまいだったので、気象庁の過去の気象データで確認しました。以下は水戸地方気象台の観測値です。現場からは内陸に離れているので、あくまで目安になります。

21時の観測値:

  • 天気: 曇
  • 気温: 24.6 ℃
  • 湿度: 93 %
  • 風向・風速: 東北東 2.6 m/s
  • 海面気圧: 1011.4 hPa

この日は日中から降ったりやんだりで、日降水量は26.0 mm、最大1時間降水量は11.5 mmでした。記録を見ると雨は20時すぎまで続いていて、私が竿を出しはじめた頃にはちょうど上がったことになります。前日13日も9.5 mm、11日は18.0 mmと、雨の日が続いたあとでした。

雨が続いたぶん川の水がどうなっていたか(増水や濁り)は、現場で意識して見ていなかったので分かりません。水温についても、この日の観測値は見つけられませんでした。茨城県水産試験場が公開している沿岸の定地水温は、この記事を書いている時点で6月までしか載っていません。仮に載っていても海の水温なので、河川の値とは別物です。

表層から、ルアーを変えながら

到着した時点では、まだ流れが出ていませんでした。

やることは決まっているので、表層から順に、ルアーを変えながらていねいに探っていきました。反応はありません。

下げが効いてきた

しばらくすると、流れが出はじめました。潮位表を3時間ずらして見ると、ちょうど下げが効いてくる時間帯にあたります。

こうなると狙いは単純で、上流から下流へ、流れに乗せるようにひたすら引いてくる。同じコースを少しずつずらしながら、リトリーブを繰り返しました。

ゴツンッ、でも重い

ゴツンッ

来た、と思いました。ところが、そこからの引きがおかしい。

とにかく重い。一瞬、根掛かりかと思いました。ただ、根掛かりにしては、ときどき生命感のようなものが伝わってきます。しかも、リールは巻ける

エイかな、と思いながらロッドをあおって、少しずつ手繰り寄せました。

上がってきたのは、シーバスでした。

夜の河原に横たえたシーバス

そして、フックは口ではなく体に掛かっていました。スレがかりです。重かったのは、魚が横を向いたまま水を受けていたからだと思います。

使ったルアーはダイワ モアザン ミニエント 57S(ボラグロー)。57mm・11.5 g のシンキングバイブレーションで、メーカーの製品ページによればフックは ST-46 の #10 トレブルです。

食おうとしてやめたのか(推測)

なぜ体に掛かったのか。これは推測ですが、食おうとして口を開けた直前に「やっぱり違う」となって反転し、そのときに体をフックに当ててしまったのではないかと思っています。

ただ、これを裏づける材料は何もありません。同じくらいありそうな筋として、

  • そもそも食う気はなく、たまたまルアーの通り道に魚がいた
  • 追ってきて体当たりのような形で当たった

も考えられます。水中を見ていない以上、区別はつきません

魚はけっこう食い損ねる(調べたこと)

家に帰ってから、そもそも魚は食い損ねるものなのかを調べました。

魚の多くは吸い込みで餌を取ります。口を一気に開いて中の圧力を下げ、水ごと餌を吸い込む方式です。この吸い込みが効く距離は短く、トゲウオの捕食を高速度カメラで撮った2024年の研究では、口の開き1つぶんくらいまで近づかないと吸い込みは効かないと整理されています。同じ論文によると、魚の捕食成功率は種や条件によって23%から100%までばらついています。

この研究自体の結果も面白いものでした。トゲウオ57個体に、逃げない餌(ユスリカの幼虫)を襲わせたところ、73回の襲撃のうち17回が失敗しています。逃げない餌が相手でも2割強は取り逃がすということです。しかも失敗の主な原因は、餌からまだ遠いうちに口を開けはじめてしまうことでした。

つまり、捕食が失敗するのは「餌に逃げられたから」だけではなく、捕食する側のタイミングがずれるからでもある、ということになります。

もっとも、これはトゲウオが動かない虫を食べる話です。シーバスがバイブレーションを追う場面と同じかどうかは分かりません。それでも、口の近くまで来ておいて口に入らない、ということ自体は普通に起きるらしい、というのは頭に入れておこうと思いました。

トレブルフックとスレがかり(調べたこと)

トレブルフックだと体に掛かりやすいのか、という点も調べました。

北米の淡水魚を対象に、ハードルアーのフックをトレブルからシングルに替えて比べた2021年の研究があります。この中で、スモールマウスバスでは、バーブレスのトレブルのほうがバーブレスのシングルより「スレがかり・のど・エラ・目」といった場所に掛かる割合が高かったという結果が出ています。

ただし、同じ差はほかの魚種では出ていません。カワカマスとラージマウスバスでは、フックの種類と掛かる場所に有意な関係は見られませんでした。比べているのもバーブレスどうしで、私が使っているバーブ付きのトレブルとは条件が違います。

「トレブルだからスレる」と一般化できる話ではありません。一部の魚種でそういう結果が出ている、というところまでです。

この一匹は持ち帰りました

スレがかりの魚は、口に掛かった魚より寄せにくく、やりとりが長くなりました。

この日は持ち帰って食べました。私は、サイズにもよりますが1回の釣行で持ち帰るのは1匹までと決めています。2匹以上は持ち帰りません。食べるぶんだけ持って帰る、という以上の理由はありません。

逃がす場合については、53件の研究をまとめた2005年の総説があります。リリース後の死亡率は中央値11%・平均18%と幅が大きく、最も効く要因はフックが体のどこに掛かったかでした。それに次いで、やりとりや取り扱いにかけた時間、水温の高さも効いています。

裏を返すと、8月のように水温が高い時期に、やりとりが長引いて、しかも掛かりどころが悪い魚は、逃がしても助からない可能性が相対的に高い組み合わせということになります。

その後

そのあとも同じコースを流し続けましたが、それきりでした。

食い損ねだったとしたら、そこにシーバスがいて、ルアーの近くまでは来ていたことになります。それが分かっただけでも収穫だったと思うことにします。

参考

釣行のオトモ

ナインティナインのオールナイトニッポン