魚は苦しんでいるのか:痛みの研究と、脳締めが短くしているもの

魚が痛みを感じるかは、いまも決着していません。ただし「苦しむ時間を短くできているか」のほうは測られています。空気中に放置された魚は13分から16分。脳締めをした魚は2分以内。ただし、即座ではありませんでした。

この記事の見出し

持ち帰ると決めた魚を、どう締めるか。

私は脳締めをしてから血抜きをしています。苦しむ時間を短くしたいからです。

ただ、2つのことが引っかかっていました。

  1. それは本当に、苦しむ時間を短くできているのか
  2. そもそも魚は、痛みを感じて苦しんでいるのか

調べて書いた記事です。私は脳締めをしていますが、その効果を測ったことはありません。

先に、この記事の着地を書きます。2つめには答えが出ていません。いまも論争の最中です。1つめには、答えがありました。

痛みの前に、言葉を2つ分けます

議論がかみ合わない原因が、ここにあります。

言葉意味
侵害受容体を傷つける刺激を、神経が検知すること。反射がこれに続く
痛みその情報が脳の上位に届いて、不快な経験になること

この2つは別です。

全身麻酔をかけられた人でも、侵害受容器は働いています。組織の損傷を検知しています。それでも痛みは感じません。意識が抑えられているからです。

国際疼痛学会も、痛みは感覚神経の活動だけからは推定できないと断っています。

魚をめぐる論争は、ここで分かれます。魚が有害な刺激を検知し、行動で反応することは、どちらの側も認めています。争点は、それが意識的な経験を伴っているかどうかです。

侵害受容器は、あります

2002年に、硬骨魚で初めて侵害受容器が同定されました。

Sneddon による総説によれば、ニジマスの侵害受容器は哺乳類のものと生理学的に同一で、極端な熱、機械的な圧力、有害な化学物質(酢酸やハチ毒)に反応します。頭部の皮膚全体と、目の角膜にあります。

ただし、すべての魚にあるわけではありません。

サメ、エイ、ガンギエイでは、侵害受容器がまだ見つかっていません。

この事実は、両方の側から使われます。「魚」とひとくくりにできない、という点では一致しています。

論争の中身

争点は、意識です。

感じないとする側

Rose (2002, 2007) と Key (2016) の論はこうです(Rose による2016年の論評)。

  1. 痛みの自覚には意識が必要
  2. 意識は大脳の新皮質にある
  3. 魚には新皮質がない
  4. したがって魚は痛みを経験できない

Rose は、行動についても書いています。釣り上げられた魚が暴れるのは、自由な動きを妨げられたことへの逃避反応であって、フックの刺激によるものではない。

神経の側からの指摘もあります。硬骨魚にはA-delta 線維という侵害受容の神経がありますが、哺乳類でいちばん多い C 線維が極端に少ない。そしてサメとエイには侵害受容の入力そのものがない。

Rose は、そのサメやエイも、釣り針に掛かると泳いで逃げ、跳ねるものもいると指摘しています。痛みを検知する神経がない魚でも同じことが起きるので、掛かった魚が逃げるのを痛みの証拠とする解釈は疑わしい、という論です。

感じるとする側

Sneddon らの反論は、行動と薬理からのものです。

  • 鎮痛剤が効きます。有害な刺激を受けた魚の行動と換気の速さが、鎮痛剤で戻ります。Sneddon の総説によれば、ニジマスの唇に酸を注射すると、毎分54回ほどだった鰓の動きが90回を超え、モルヒネを与えるとこうした変化が大きく減りました。反射であれば、鎮痛剤は効きません
  • 動機がぶつかったとき、痛みの側が勝つことがあります。酸を注射されたゼブラフィッシュが、鎮痛剤の入った水槽を選びました。居心地の悪い環境でも、痛みから逃れるほうを選びます
  • fMRI で、有害な刺激が終脳を活動させます。哺乳類が痛みを処理するときの活動に似たパターンだと報告されています

新皮質の話にも反論があります。鳥には新皮質がありませんが、意識と自己認識を持つとされています。新皮質がなければ意識がないという前提が成り立たないなら、魚を除外する理由も消えます。

決着していません

この論争は、南アフリカで釣りへの反対運動が起きた1960年代までさかのぼると、50年以上続いています。Rose の2002年の論文からでも20年以上です。そして互いに、「感情に基づく科学」「擬人化」といった言葉で相手を批判する段階に入っています。

私は、どちらが正しいかを判定できません。この記事で言えるのは、争点が「検知しているか」ではなく「意識的に経験しているか」だというところまでです。

感じないとする側の Rose 自身も、2016年の論評で、動物に意識があるかという問いはしばらく決着しないだろうが、動物の福祉は意識があると仮定しなくても考えられる、という立場に同意しています。この先は、その立場で書きます。

ここからは、測れる話です

「苦しんでいるか」は決着しませんが、「意識がいつ消えるか」は測れます。

測り方が決まっています。世界動物保健機関が、正しく気絶させられたかを評価する方法を3つ挙げています。

方法何を見るか
鰓蓋の動きと体の動き止まったか
視覚誘発反応脳波で、光の点滅への反応が消えたか
前庭動眼反射体を傾けたときの目の動き(眼球回転)が消えたか

見て分かる動きは、当てにならないことがあります。前庭動眼反射を含めて、目で見る指標は意識の有無を確かに示すとは限らない、と指摘されています。二酸化炭素で気絶させたニジマスでは、動きが消えてから脳の活動が消えるまでに、数分の差がありました(Wahltinez ら, 2024)。

視覚誘発反応は、脳の機能の中で最後まで残るものの1つとされています。これが消えれば、意識がないと判断できます。

空気中に置かれた魚は、13分近く

2025年に、これを直接比べた研究が出ました。

Gräns, Kenter, Meinhold, Saxer, Schwerte and Brijs (2026)が、ニジマス(0.3から0.5キロ)とハイブリッドストライプドバス(1.1から2.1キロ) で、締め方ごとに脳波の視覚誘発反応を測っています。脳締めを神経学的に評価した、最初の報告とされています。

比べたのは4つです。手動の脳締め、自動の脳締め、手動の打撃、そして窒息。

結果です。

締め方意識がなくなるまで
窒息(氷の入った容器で空気中に放置)12.75分。長いものは13分から16分
脳締めニジマスは全個体が2分以内に、不可逆的に意識を失った

12.75分と、2分以内。これが、冒頭の1つめの問いへの答えです。

脳締めは、意識のある時間を短くしています。

ただし、即座ではありませんでした

同じ論文が、もっと重要なことを書いています。

内訳を見ます。ニジマスでは、75%の個体が電極を付け終えた時点(約1.1分以内)ですでに意識を失っており、残りの25%が2分以内に続きました。

つまり、4尾に1尾は1分以上、意識が残っていたということです。

そして、ハイブリッドストライプドバスでは、即座に意識を失った個体が1尾もいませんでした。

この魚は1.1から2.1キロで、ニジマスの3倍から4倍あります。論文はより頑丈だったと書いています。施術後も感覚を保っていた個体が、25%から43%。

頭の骨が厚く、脳が奥にあるほど、届きにくくなります。スズキがどちらに近いかは、この研究では分かりません。

論文の結論は、順序の話でした

ここが、この記事を書き直すことになった点です。

論文はこう結論しています。脳締めは、手動でも自動でも、即座の感覚喪失を確実には起こさない。だから、即座に感覚を失わせる気絶の手順を、脳締めの前に置くべきである。

世界動物保健機関の指針も、同じ形で書いています。気絶が可逆的な場合は、意識が戻る前に殺すこと。

打撃を先に、脳締めをあとに、ということです。

私は逆の順序を考えていました。脳締めをしてから血抜きへ進む。論文が言っているのは、その前にもう1段あるほうがいい、ということです。

ただし、打撃も完璧ではありませんでした。同じ研究で、手動の打撃も、ニジマスの75%を即座に無感覚にしただけです。脳締めと同じ割合でした。

論文は、種ごとの調整も求めています。スパイクの寸法と、刺す技術を、魚種に合わせて詰める必要がある。大きくて頑丈な種で効きが落ちるためです。

見た目が穏やかでも、ストレスが低いとは限りません

判定の難しさを示す実験があります。

Gränsら (2016)は、ホッキョクイワナを二酸化炭素と電気で気絶させて比べました。

行動は、はっきり違いました。

方法見た目
二酸化炭素で飽和させた水数分にわたって激しく逃げようとし、そのあと動かなくなる
電気固定化がほぼ即座

行動だけを見れば、電気のほうが圧倒的に穏やかです。

ところが、血液を調べると逆でした。電気で気絶させた魚の血漿コルチゾールは、二酸化炭素の2倍以上ありました。

著者らは、この食い違いを「驚くべき結果」と書いています。そして、行動と生理の両方を使わなければ、正しい福祉の評価はできないと結論しています。

これは、釣り場での判断にそのまま効きます。魚が動かなくなったことは、ストレスがないことの証明になりません。

そして電気の場合、5分で回復しました。二酸化炭素では回復しませんでした。動かなくなったからといって、死んだわけでも、意識が戻らないわけでもありません。

氷で締めるのは、逆を向いています

ここが、この記事でいちばん意外だったところです。

世界動物保健機関は、氷による冷却を「受け入れられない方法」に分類しています。二酸化炭素の浸漬、塩やアンモニアの浴、脱水、そして気絶させずに血抜きすることも同じ扱いです。

理由は、意識を失うまでの時間が長いからです。

引用されている報告によれば、低温では魚が15分近く感覚を保ちます。研究者は、氷の上で窒息させる方法は、意識を失うまでの時間を不必要に長引かせていると結論しています。

養殖魚の締め方をまとめたWahltinez ら (2024)の総説には、氷水に入れたヨーロッパウナギが感覚を失うまで平均12分、ヨーロッパヘダイが平衡を失うまで平均52分という報告が載っています。調べられたほとんどの養殖魚で、氷水で即座に意識を失うことはありませんでした。

名前の近い魚の数字もあります。ヨーロッパスズキとヨーロッパヘダイを氷で冷やして締めた場合、5分から40分のあいだ意識を保つと報告されています。

身を締める意味での効果を、私は調べていません。ただし意識がある時間という点では、脳締めの逆を向いています。

そして二酸化炭素は、もっと悪い側です。二酸化炭素で飽和させた水に入れられた魚は、数分にわたって激しく逃げようとします。

結局、どうなのか

2つの問いに、別々に答えます。

「魚は痛みを感じているか」は、決着していません。侵害受容器があることは確立しています。それが意識的な経験を伴うかどうかで、長く論争が続いています。

「脳締めは苦しむ時間を短くしているか」には、答えがあります。窒息の13分から16分に対して、脳締めは2分以内。短くできています。

この2つは、噛み合っています。痛みを感じるかどうかが分からない以上、短いほうを選ぶ理由は残ります。感じているなら短いほうがいい。感じていないなら、どちらでも変わらない。どちらに転んでも、短いほうが悪くなることはありません。

そのうえで、この記事が付け加えられることが4つあります。

  1. 脳締めは即座ではありません。ニジマスでも4尾に1尾は1分以上意識が残り、大きい魚では即座に効いた個体が1尾もいませんでした。

  2. 論文の提言は、順序でした。即座に感覚を失わせる手順を、脳締めの前に置く。打撃を先に、脳締めをあとに。ただし、その打撃も75%にしか即座に効いていません。

  3. 動かなくなったことは、判断材料になりません。電気で気絶させた魚は行動が穏やかでしたが、血中のストレスホルモンは二酸化炭素の2倍以上ありました。鰓蓋が止まったかは見られますが、脳波は見られません。

  4. 氷の上に置くのは、締めたあとにする。締める前に氷で冷やすのは、資料の示す方向と逆です。

分かっていないこと

スズキで測られたものは、見つかりませんでした。この記事の数字はニジマス、ハイブリッドストライプドバス、ヨーロッパスズキ、ヨーロッパヘダイのものです。マルスズキで脳波を測った研究は見ていません。

ヨーロッパスズキは、マルスズキとは別の科です。名前が似ているだけで、同じ魚ではありません。

脳締めの論文は、各条件が3尾ずつです。4つの締め方を2種で比べていますが、1つの条件あたりの尾数は多くありません。「75%」は4尾中3尾のことです。

そして養殖魚を使っています。サイズも揃っていて、頭の形も個体差が小さい側です。

釣り場での脳締めと、実験室での脳締めは条件が違います。論文が扱っているのは養殖場での屠殺です。そこまでに魚が受けたストレスも、締める場所も、道具も違います。

釣った魚は、締める前にファイトと空気曝露を経ています。逃がした魚はどうなるのかで書いたとおり、空気にさらす時間には閾値があり、大きい魚ほど短い時間で影響が出ます。締めるまでの時間も含めて測った研究は、見ていません。

脳締めの成否を、釣り人が確かめる方法を知りません。論文が使っているのは脳波と眼球反射です。鰓蓋が止まったことだけでは、意識がないことの証明になりません。そして電気の実験が示したとおり、動きが止まっていてもストレスホルモンが高いことがあります。

「打撃を先に」という提言を、釣り場でどう実行するかは書けません。論文が扱っているのは養殖場の設備と手順です。釣り場で打撃と脳締めの両方を確実に行う手順を、私は持っていません。

痛みの論争の一次文献は、一部しか読んでいません。Sneddon (2009) の総説と、Rose (2016) の論評は全文を読みました。Key (2016) の本論と、Rose (2002, 2007) は読んでいません。論争の当事者が互いをどう批判しているかは、二次的な記事から取っています。

鎮痛剤が効くという実験と、動機がぶつかる実験の原著に当たっていません。鎮痛剤の実験は Sneddon の総説の記述までで、動機がぶつかる実験は解説記事の要約です。

「苦しむ」という言葉を、私は定義せずに使っています。痛みの有無が決着していない以上、この記事で「苦痛の時間」と書いているのは、正確には「意識がある時間」です。

続けて読むなら

記事つながり
逃がした魚はどうなるのか逃がす側の話です。掛かった場所で生死が変わること、空気にさらす時間の閾値
ランカーは持ち帰らないほうがいいのか持ち帰るかどうかの判断材料です。味、卵の数、蓄積するもの

使ったもの・参考文献

痛みの論争について

  • Sneddon (2009) Pain Perception in Fish. ILAR Journal 50(4), 338-342— 全文を読みました。2002年に硬骨魚で侵害受容器が初めて同定されたこと、それが哺乳類のものと生理学的に同一で、極端な熱・機械的圧力・有害な化学物質に反応すること、ニジマスでは頭部の皮膚全体と角膜にあること、サメ・エイ・ガンギエイでは侵害受容器がまだ見つかっていないこと、争点が「反射にすぎないかどうか」であること
  • Rose (2016) Pain in fish: Weighing the evidence. Animal Sentience 2016.032— 全文を読みました。Key (2016) への短い論評です。痛みと意識が新皮質に依存し魚には不可能だという立場、サメとエイに侵害受容の入力がないこと、硬骨魚はA-delta線維を持つがC線維が極端に少ないこと、外科手術や釣りに対する魚の行動が苦痛を示すものではないという主張
  • Vettese, Franks and Jacquet (2020) The Great Fish Pain Debate (Issues in Science and Technology 36(4), 49-53)— 全文を読みました。査読された論文ではありません。論争の歴史をたどった論考で、痛みを感じないとする側に批判的な立場から書かれています。同誌の読者欄には、この論考への反論も載っています。Rose の論の構成(新皮質がなければ意識がなく、意識がなければ痛みの自覚もない)、釣られた魚が暴れるのは自由な動きを妨げられた逃避反応だとする主張、論争が互いを「感情に基づく科学」と批判する段階に入っていること
  • Do fish feel pain? (SeafoodSource)— 該当箇所のみ。査読された記事ではありません。侵害受容が痛みの第一段階にすぎず上位の脳に届いて初めて痛むという整理、新皮質を持たない鳥に意識があるとされることが「新皮質が必要」という前提への反証になるという指摘、酸を注射されたゼブラフィッシュが鎮痛剤の入った水槽を選んだ実験
  • Do Fish Feel Pain? The Science Rewriting Welfare Law— 該当箇所のみ。査読された記事ではありません。全身麻酔下でも侵害受容器は働くが痛みは感じないという例え、国際疼痛学会が痛みを感覚神経の活動だけからは推定できないとしていること、鎮痛剤で行動と換気の速さが戻ること、fMRI で有害な刺激が終脳を活動させること

締め方について

  • Gräns, Kenter, Meinhold, Saxer, Schwerte and Brijs (2026) From tradition to innovation: Effects of manual and automated ikejime on welfare and product quality of rainbow trout and hybrid striped bass. Aquaculture 613, 743458— 全文を読みました。リンク先は購読が必要です。ニジマス(0.3から0.5キロ)とハイブリッドストライプドバス(1.1から2.1キロ)で、脳波の視覚誘発反応を使って手動の脳締め・自動の脳締め・手動の打撃・窒息を比較した、脳締めの初めての神経学的評価。窒息では12.75分、長いもので13分から16分。脳締めはニジマス全個体を2分以内に不可逆的に無感覚にしたが、その内訳は75%が電極装着時点(約1.1分以内)で、残り25%が2分以内。バスでは即座に無感覚になった個体が1尾もなく、25%から43%が施術後も感覚を保っていたこと。手動の打撃もニジマスの75%を即座に無感覚にしただけだったこと。結論として、脳締めは手動でも自動でも即座の感覚喪失を確実には起こさないので、即座に感覚を失わせる気絶の手順を脳締めの前に置くべきだとしていること。大きく頑丈な種で効きが落ちるため、スパイクの寸法と刺す技術を魚種ごとに詰める必要があること。死後硬直の進み方が締め方によって大きく変わったこと
  • Chapter 7.3 Welfare aspects of stunning and killing of farmed fish for human consumption (世界動物保健機関)— 該当箇所のみ。打撃による気絶と、脳を破壊する方法(スパイキング、コアリング)の定義、正しく行われれば意識喪失は不可逆であること、可逆的な場合は意識が戻る前に殺すべきこと
  • Wahltinez, Cohen, Hardy-Smith, Huynh and Kells (2024) Evaluation of insensibility in humane slaughter of teleost fish including the use of electroencephalogram with a case study on farmed barramundi. Aquaculture 590, 740993— 全文を読みました。正しい気絶を評価する方法が鰓蓋の動きと体の動きの消失、脳波の視覚誘発反応の消失、前庭動眼反射の消失であること、機械的および電気的な方法が容認され、氷による冷却・二酸化炭素浸漬・塩やアンモニアの浴・脱水・気絶させない放血は福祉上の懸念から容認されないこと。二酸化炭素で気絶させたニジマスで動きの消失が脳活動の消失より数分早かったという報告、氷水でヨーロッパウナギが平均12分・ヨーロッパヘダイが平均52分という報告
  • Method for subaqueous ultrasonic catastrophic irradiation of living tissue(米国特許 7413552)— 該当箇所のみ。特許の背景説明であり、査読された論文ではありません。ブリストル大学の研究(Kestin, Wotten and Gregory 1991)として、水から出された魚が低温下で15分近く感覚を保つこと、氷の上で窒息させる方法が意識喪失までの時間を不必要に長引かせていると結論されたこと
  • Challenges in Aquatic Animal Stunning— 全文を読みました。査読された記事ではありません。ヨーロッパスズキとヨーロッパヘダイが氷による低体温での屠殺で5分から40分のあいだ意識を保つこと(投稿が引いている文献の値で、原典は読んでいません)、視覚誘発反応が最後まで残る機能の1つとされること、前庭動眼反射など見て分かる指標は意識の有無を確かに示すとは限らず、二酸化炭素で気絶させた魚では鰓の動きが止まってから3.5分後まで視覚誘発反応が残ったという報告
  • Gräns, Niklasson, Sandblom, Sundell, Algers, Berg, Lundh, Axelsson, Sundh and Kiessling (2016) Stunning fish with CO2 or electricity: contradictory results on behavioural and physiological stress responses. Animal 10(2), 294-301— 全文を読みました。オープンアクセスです。ホッキョクイワナで二酸化炭素と電気を比較。二酸化炭素で飽和させた水では数分にわたって激しく逃げようとし、電気では固定化がほぼ即座だったこと。ところが電気で気絶させた魚の血漿コルチゾールは二酸化炭素の2倍以上あり、著者らがこれを驚くべき結果としていること。電気では平均5分で回復し、二酸化炭素では回復しなかったこと。行動と生理の両方を使わなければ正しい福祉評価はできないと結論していること